画層ダイアログ ボックスを使用した画層の管理

画層の新規作成、アクティブ画層の設定、および画層プロパティおよび動作の指定には LayerDialog コマンドを使用します。

コマンドにより画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスが開きます。

画層の基本的な情報については、画層を使った図面の整理(Organizing the Drawing with Layers)を参照してください。

画層マネージャーのダイアログボックスにアクセスするには:

  • 次のいずれかを実行します。
    • メニューで、形式(Format) > 画層(Layer)をクリックします。
    • リボン上で、ホーム(Home) > 画層(Layer) > 画層マネージャー(Layers Manager をクリックします。
    • コマンド プロンプトで LayerDialog と入力します。

画層の作成

新しい画層はいつでも作成できます。効率を上げるため、事前に画層を計画することをお勧めします。

レイアウト シートのすべての既存のビューポートで初期にフリーズされている画層を作成することもできます。このオプションは、モデルおよびレイアウト シートで使用できます。

新規画層を作成するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、新規(New)をクリックします。
  2. 画層の名前(Name)を入力し、Enter キーを押します。

注記: 既存の画層と同様のプロパティを持つ新しい画層を作成する場合は、画層マネージャー(Layers Manager)でその画層を選択し、新規(New)をクリックします。替える必要のあるプロパティのみ変更します。

レイアウト シートに既存のすべてのビューポートで初期にフリーズされている画層を作成するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、新規(New) - VP フリーズ(VP Freeze)をクリックします。
  2. 画層の名前(Name)を入力し、Enter キーを押します。

注記: 画層を一部のビューポートのみで選択的にフリーズ解除する場合や、モデルでのみ使用する場合は、既存のすべてのビューポートでフリーズした新しい画層を作成することをお勧めします。

画層の削除(Deleting Layers)

未使用の画層を削除できます。

画層を削除するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで画層を選択します。
  2. 削除をクリックします。

    ステータス(Status) に変わり、画層が削除対象としてマークされます。

  3. 他の画層に対してステップ2を繰り返します。
  4. OK をクリックします。

    削除対象としてマークされた画層が消去されます。

注記: エンティティを含む画層、アクティブ画層、画層 0、参照図面の依存画層等は削除できません。

画層のマージ

画層を目的の画層にマージできます。

画層をマージするには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、マージする 1 つ以上の画層を選択します。

    注記: 画層 0、アクティブ画層、ロックされた画層、参照図面の画層をマージすることはできません。

  2. マージ(Merge)をクリックします。
  3. ダイアログ ボックスで、目的の画層を指定します。

    必要に応じて、次のことができます。

    • フィルタ式(Filter Expression)で、部分文字列を入力したり、ワイルドカードを使用したりして、表示される画層名の数を減らす。
    • 新規画層(New Layer)で、作成する画層の名前を指定する。
    • グラフィック領域内で指定(Specify in graphics area)をクリックして、目的の画層上のエンティティを指定する。
    • マージされた画層を削除(Delete merged layers)を選択して、マージされた冗長画層を図面から除去する。

    注記: 参照図面の画層とマージすることができませんが、非表示画層またはフリーズされた画層とマージすることは可能です。

アクティブ画層の設定

画層の 1 つはアクティブな画層である必要があります。

アクティブ画層を設定するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで画層を選択します。
  2. アクティブ化をクリックします。

    - または -

    アクティブにする画層のステータス(Status)セルをダブルクリックします。

    ステータス(Status) に変わります。

画層状態の適用

画層状態の保存、復元、管理ができます。画層状態は、現在の画層設定のスナップショットです。

画層状態を適用するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、画層状態(Layer States)をクリックします。
  2. 画層状態(Layer States)ダイアログ ボックスで、画層状態を保存、復元、管理します。

画層の検索

多数の画層がある図面では、名前の一部を用いた特定画層の検索が可能です。

画層を検索するには:

  • フィルタ式(Filter expression)ボックスにワイルドカード(単一文字の場合は ?、文字列の場合は *)を入力すると、一致する画層名が一覧されます。

    たとえば、「e*」と入力すると名前が「e」で始まるすべての画層が一覧され、「*detail」と入力すると名前が「detail」で終わるすべての画層が一覧されます。

次のワイルドカードを使用できます。

ワイルドカード 意味
*(アスタリスク) 任意の文字列と一致し、検索文字列内のどこでも使用できます 2D* は、2D で始まるすべての画層名が一覧されます
?(疑問符) 任意の 1 文字と一致します ?BC は、ABC、BBC、CBC などと一致します
~(チルダ) このパターン以外と一致します ~*XY* は、XY を含まないすべての画層名に一致します
#(ポンド) 数字と一致します #D は 2D、3D、4D などと一致します
@(アットマーク) 任意のアルファベット文字と一致します  
.(ピリオド) 英数字以外の文字と一致します  
`(逆引用符) 次の文字をそのまま解釈します `~XY は ~XY と一致します
[] 囲まれている文字のいずれかと一致します  [AB]C は AC および BC と一致します
[~] 囲まれていない文字と一致します [~AB]C は XC と一致しますが、AC とは一致しません

画層の名前変更

既存の画層名を変更できます。

画層名を変更するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、名前を変更した画層の名前(Name)セルをダブルクリックします。
  2. 新しい名前を入力し、Enter キーを押します。

画層プロパティの設定

次のプロパティを画僧に設定することができます。線色、線種、線幅、透明性、印刷スタイルおよび説明。

線の色

新たに図面を開始すると、新しい画層には白が自動で割り当てられます。新しい画層を作成すると、その画層には選択した画層の色が適用されます。

線色を直接割り当てない限り、画層で描画するエンティティは、割り当てられた線色で表示されます(詳細については、線色の設定(Setting LineColors)を参照してください)。

画層の線色を設定するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、変更したい線色(LineColor)セルをダブルクリックします。
  2. 線色を選択するか、色を指定(Specify Color)を選択し、さらに色の設定を行います。

    画層に対して線色が設定されます。色を変更すると、該当画層上にあり、画層指定(ByLayer)の指定色によりスケッチされたすべてのエンティティが、変更後の色で表示されます。画層指定(ByLayer)の指定色以外の色を用いてスケッチされた画層上のエンティティについては、変更の影響を受けません。

線種

新たに図面を開始すると、新しい画層には連続した線種が自動で割り当てられます。新しい画層を作成すると、その画層には選択した画層の線種が適用されます。

線種を直接割り当てない限り、画層で描画するエンティティは、割り当てられた線種で表示されます(詳細については、線種のロードと設定(Loading and Setting LineStyles)を参照してください)。

画層の線種を設定するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、変更したい線種(LineStyle)セルをダブルクリックします。
  2. 線種を選択するか、その他(Other)を選択し、線種(Line Style)ダイアログ ボックスで新しい線種をロードします。

    画層に対して線種が設定されます。線種を変更すると、該当画層上にあり、画層指定(ByLayer)の指定線種によりスケッチされたすべてのエンティティが、変更後の線種で表示されます。画層指定(ByLayer)の指定線種以外の線種を用いてスケッチされた画層上のエンティティについては、変更の影響を受けません。

線幅

新たに図面を開始すると、新しい画層にはデフォルトの線幅が自動で割り当てられます。新しい画層を作成すると、その画層には選択した画層の線幅が適用されます。

線幅を直接割り当てない限り、画層で描画するエンティティは、割り当てられた線幅で表示されます(詳細については、アクティブな線幅の設定(Setting the Active LineWeight)を参照してください)。

画層の線幅を設定するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、変更したい線幅(LineWeight)セルをダブルクリックします。
  2. 線幅を選択します。

    画層に対して線幅が設定されます。線幅を変更すると、該当画層上にあり、画層指定(ByLayer)の指定線幅によりスケッチされたすべてのエンティティが、変更後の線幅で表示されます。画層指定(ByLayer)の指定線幅以外の線幅を用いてスケッチされた画層上のエンティティについては、変更の影響を受けません。

透明性

特定の画層の透明性レベルを指定することができます。新しい図面を開始するとき、新しい画層は自動的に透明性なしになります。新しい画層を作成すると、その画層には選択した画層の透明性が適用されます。

透明性を直接割り当てない限り、画層で描画するエンティティは、割り当てられた透明性で表示されます。

画層の透明性を設定するには:

  1. 画層マネージャー ダイアログ ボックスで、変更したい透明性セルをダブルクリックします。
  2. 0 ~ 90% の値を指定します。0% は、透明性がないこと(不透明)を意味します。

    画層に対して透明性が設定されます。透明性を変更すると、該当画層上にあり、画層指定で指定された透明性により作成されたすべてのエンティティが、指定された透明性で表示されます。該当画層上にあり、画層指定以外の透明性で作成されたエンティティは影響を受けません。

印刷スタイル

特定の画層の内容を個別の印刷スタイルで印刷するかどうかを指定することができます。新しい画層を作成すると、その画層には選択した画層の印刷スタイルが適用されます。

印刷スタイルを直接割り当てない限り、画層で描画するエンティティは、割り当てられた印刷スタイルで表示されます。

画層の印刷スタイルを設定するには:

印刷スタイルは、図面が色依存の印刷スタイル(.ctbファイル)ではなく、名前付き印刷スタイル(.stbファイル)を使用している場合のみ有効です。名前付き印刷スタイルの設定は、ツール(Tools) > オプション(Options) > システム オプション(System Options) > 印刷(Printing) > デフォルト設定(Default settings) > デフォルト タイプ(Default type)により行えます。

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、変更したい印刷スタイル(PrintStyle)セルをダブルクリックします。
  2. 印刷スタイルを選択するか、あるいはその他(Other)を選択し、印刷スタイル(Print Styles)ダイアログ ボックスで新しい印刷スタイルをロードします。
説明:

必要に応じて、各画層の説明を追加することができます。

画層の説明を追加するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、説明を追加したい説明(Description)セルをダブルクリックします。
  2. 説明を入力し、Enter キーを押します。

画層の動作制御

画層の表示と非表示、フリーズとフリーズ解除、ロックとロック解除を行うことができます。画層を印刷やプロットの対象とするか否かは、指定することが可能です。

さらに、画層がレイアウト シートの新しいビューポートでフリーズされているか、フリーズ解除されているかを事前に定義できます。

画層の表示と非表示

画層を表示すると、そこに属するエンティティも表示されます。非表示画層のエンティティは表示されません。

画層の表示/非表示を行うには:

  • 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、変更したい表示(Show)セルのアイコンをクリックします。

    緑色のドット  は表示を意味します。灰色のドット は非表示を意味します。

画層のフリーズとフリーズ解除

画層の表示と編集可否は、フリーズおよびフリーズ解除により制御できます。

画層をフリーズすると、そこに属するエンティティが保護され、非表示になります。オフ状態にある画層上のエンティティとは異なり、フリーズされた画層上のエンティティは図面再構築の際に無視されます。フリーズの解除された画層上のエンティティは、保護が解除されると共に表示が行われます。

  アクティブ画層はフリーズできません。

画層のフリーズ/フリーズ解除を行うには:

  • 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、変更したいフリーズ(Frozen)セルのアイコンをクリックします。

    雪を模した記号 はフリーズを意味します。水を模した記号 はフリーズ解除を意味します。

画層のロックとロック解除

画層をロックすると、その画層上のエンティティを編集できなくなります。ロック解除された画層上のエンティティは編集可能です。

  アクティブ画層をロックすると、その画層上ではエンティティの作成のみが行え、修正は行えなくなります。

画層のロック/ロック解除を行うには:

  • 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、変更したいロック(Lock)セルのアイコンをクリックします。

    閉じた鍵の記号  は、ロック状態を意味します。開いた鍵の記号  は、ロックが解除された状態を意味します。

印刷画層

画層を印刷やプロットの対象とするか否かは、指定することが可能です。画層を印刷対象から外しても、その画層上のエンティティの表示状態は変わりません。

非表示またはフリーズ状態にある画層は、印刷(Print)設定に関わらず、印刷されません。

画層の印刷可否を指定するには:

  • 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、変更したい印刷(Print)セルのアイコンをクリックします。

    プリンタ アイコン  は、印刷対象であることを意味します。取り消し線付きのプリンタ アイコン  は、印刷対象外であることを意味します。

レイアウ トシート上の新しいビューポートで画層をフリーズする

レイアウト シート上の新しいビューポートで、画層がフリーズされているか、フリーズ解除されているかを事前定義できます。

すべての新しいビューポートで特定の画層をフリーズすると、レイアウト シート上の新規作成されたビューポートでのエンティティの表示が制限されますが、既存のビューポートの画層の動作とプロパティには影響しません。後で画層を表示する必要があるビューポートを作成する場合、ビューポートの現在の設定を変更できます。

新しいビューポートで画層をフリーズするかどうかを指定するには:

  • 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、変更したい新しいビューポート(New Viewport)セルのアイコンをクリックします。

    記号 はフリーズを意味します。記号 はフリーズ解除を意味します。

レイアウト シートのビューポートに対する画層プロパティのオーバーライド指定

レイアウト シートのビューポートでは、さらに特定の画層設定を使用することができます。

これらの設定は、レイアウト シート自体にも指定できます。このシート自体も、レイアウト モードのビューポートと見なされます。

特定のビューポートで変更を行うと、モデル内の画層の設定が上書きされます。

レイアウト シートでは、アクティブなビューポートの画層マネージャー(Layers Manager)に次の追加列が表示されます。

  • アクティブなビューポート(Active Viewport): 選択した画層を、アクティブなレイアウト ビューポートでのみフリーズします。記号 はフリーズを意味します。記号 はフリーズ解除を意味します。
  • VP 色(VP Color): 指定した線色が、アクティブなビューポートで、選択した画層のエンティティに対して使用されます。
  • VP 線種(VP LineStyle): 指定した線種が、アクティブなビューポートで、選択した画層のエンティティに対して使用されます。
  • VP 線幅(VP LineWeight): 指定した線幅が、アクティブなビューポートで、選択した画層のエンティティに対して使用されます。
  • VP 透明性(VP Transparency): 指定した透明性のレベルが、アクティブなビューポートで、選択した画層のエンティティに対して使用されます。
  • VP 印刷スタイル(VP PrintStyle): 指定した印刷スタイルが、アクティブなビューポートで、選択した画層のエンティティに対して使用されます。

注記: ビューポートの設定がモデルでの画層のデフォルト設定と異なる場合、対応するセルが画層リストでハイライトされます。

フィルタ オプションの設定

指定した画層を含むフィルタを作成することが可能です。この方法を用いて画層をグループ化することで、グループのフィルタが構築できます。次の 2 つの画層グループ フィルタが事前定義されています: すべて(All)および全使用画層(All Used Layers)。新しい画層グループの場合、画層リストから画層をグループ名にドラッグして追加します。

画層のグループ フィルタを作成し、それらに画層を割り当てるには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、フィルタ編集(Edit Filters)をクリックします。
  2. 画層フィルタ編集(Edit Layer Filters)ダイアログ ボックスのツリー表示で、新しいフィルタを作成したいノードをクリックします。
  3. グループフィルタ追加(Add Group Filter)をクリックします。

    新しいフィルタがツリー表示に追加されます。フィルタはツリー表示で選択したアイテムの下位レベルに追加されます。これにより、階層構造を持つ画層フィルタを作成することが可能となります。

  4. 新しいフィルタをダブルクリックし、名前を入力します。
  5. 閉じる(Close)をクリックします。

    新しいグループ フィルタがフィルタのツリー表示に追加されます。

  6. 1つ以上の画層を画層リストで選択し、それらをフィルタ ツリー表示内の作成したフィルタ名の上にドラッグします。

フィルタを削除するには:

  1. 画層マネージャー(Layers Manager)ダイアログ ボックスで、フィルタ編集(Edit Filters)をクリックします。
  2. 削除するフィルタを選択し、削除(Delete)をクリックします。
  3. 閉じる(Close)をクリックします。

フィルタの条件と一致する画層を表示するには:

  • フィルタ ツリー表示で、画層フィルタ名を選択します。

    画層マネージャー(Layers Manager)の画層リストは、選択したフィルタリング条件を満たす画層に縮小されます。

画層フィルタの表示オプションの設定

表示オプションを追加設定することができます。

  • フィルタ反転(Reverse Filter): 選択したフィルタ名の逆の条件に一致する画層をすべて表示します。
  • "使用中" ステータスを表示(Display "in use" status): ステータス(Status)列内にあるすべての画層を白い画層アイコンでマークします。アイコンが から に変わります。多くの画層を含む大規模な図面では、このオプションを選択すると、画層マネージャー(Layers Manager)のパフォーマンスを向上させることができます。
  • 現在のフィルタを画層ツールバーに適用(Apply current filter to Layers toolbar): 画層ツールバーの画層リストで、画層マネージャー(Layers Manager)のアクティブなフィルタを反映します。

アクセス

コマンド: LayerDialog

メニュー: 形式(Format) > 画層(Layer)

リボン: ホーム(Home) > 画層(Layers) > 画層マネージャー(Layers Manager)